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一見する限りに身体が硬直する看板だ。クルマのデザインの古さもさることながら、デフォルメとはわかっていても「これはないんじゃないの」とため息混じりにこぼしたくなる「ハコ乗り運転者」。ご丁寧にハンドルまで外している。
それに追い打ちをかけるように子供の「アッ、危い」。これでは「あぶい」になってしまうではないか。
高速運転を注意する看板でありながら、クルマにも運転者にも、そして子供にも「うごき」や「危機感」が感じられないために、単なる路地のオブジェとして機能しているに過ぎない、なんとも哀愁漂う看板である。大きさ的にも高速運転しているドライバーの視界にはけして入らないであろう。
その哀愁は、「八戸をそんなに急いでどこえ行く」の「え」の字によってさらに深まりを増している。
看板データ:青森県八戸市鮫/1991年8月